ドラマ「Shine」の時代背景を調べてみた

ドラマが始まる前に予習しよう

こんにちは、くりかのこです。

「Shine The Series」(以降 「Shine」)は2025年8月2日より放送開始となります。先がけて、2025年6月11日に、キャストや予告をお披露目するプレスカンファレンスが行われました。Trailerについてはこちらの記事も御覧ください。

「Shine」ファンの度肝を抜いたTrailerの完成度

Trailerを見た方は、これは時代背景について、事前にインプットしておいた方が良さそうと思いませんでしたか?

ここ数年、タイの俳優さんのファンであると同時に、タイという国にも大変な興味関心を寄せていますが、歴史についてはほぼ知らない状態。Google検索や、YouTubeの解説、生成AIとの対話を通じて、少し学びましたので、アウトプットしたいと思います。

あくまで即席で学んだ知識です。間違いがありましたらご指摘ください。

冷戦下のアメリカの影響と軍事政権

1960年代から1970年代にかけてのタイ王国は、急速な経済成長と社会変動の波に揺れる時代でした。

冷戦下においてアメリカの強い影響を受けたタイは、共産主義の拡大を警戒しつつ、政情は軍事政権による統治が続いていました。

特に1968年以降、タノム・キッティカチョーン首相の下で軍部の権力が強化され、1971年には自らの政権に対してクーデターを起こし、議会を解散するなど、まさにドラマの背景として、高まる政治的緊張が重要なファクターであることがわかります。

もう少し掘り下げてみましょう。
タイは冷戦期にアメリカの同盟国として、共産主義の拡大を防ぐ戦略的拠点でした。
特にベトナムやラオス、カンボジアでの共産主義勢力の台頭が警戒されていたようです。

タノム・キッティカチョーン(Thanom Kittikachorn)元帥は1963年から1973年まで首相を務め、軍事政権を主導。
1968年に新憲法が施行され一時的に議会制民主主義が導入されたものの、1971年にタノムは自己クーデター(国家行政改革会議を設立)を行い、議会を解散し、独裁体制を強化しました。

西洋文化の流入とカウンターカルチャー

一方で、都市部では西洋文化の流入が加速し、音楽、ファッション、映画などを通じて若者たちの間にカウンターカルチャーが芽生えました。アメリカ軍の駐留やベトナム戦争の影響で、バンコクは米兵の休養地として栄え、ナイトライフや消費文化が急速に発展。これにより、従来の社会規範との摩擦も生まれました。

タイはアメリカ軍の後方支援基地として機能し、米兵の休養地(R&R: Rest and Recreation)としてバンコクのパッポン通りやソイ・カウボーイなどのエリアがなどが繁栄しました。
西洋のポップカルチャー(ロック音楽、ヒッピー文化、ファッションなど)が都市部の若者に影響を与え、伝統的なタイの仏教的価値観や社会規範との間で軋轢が生じたようです。

1973年の学生運動とタノム政権の崩壊

このころ日本でも、学生運動や西洋文化の影響が顕著でしたが、タイでは軍事政権の抑圧下で若者の表現がより制限されていました。

1973年には、大学生を中心とした大規模な学生運動が勃発。軍政に対する抗議が全国に広がり、最終的にはタノム政権の崩壊を招きました。この運動は、民主化への転機としてタイ現代史に刻まれています。

1973年10月14日の学生デモ(通称「10月14日事件」)は、タイ史上重要な出来事と言えるようです。

タイの俳優さんのファンである我々も良く知る名門大学、タマサート大学やチュラロンコン大学の学生を中心に、数十万人がバンコクで軍事政権に対する抗議デモを行い、民主化を求めました。

軍の武力弾圧により多数の死傷者が出ましたが、最終的にタノム政権は崩壊し、タノムは国外追放されました。この事件はタイの民主化運動の象徴とされています。この運動の背景には、経済格差の拡大や、軍事政権の腐敗、言論の自由の制限に対する不満がありました。

国王ラーマ9世(プミポン国王)が介入し、流血を抑える形で政権交代を促した点も特記しておきます。ただしこの後、短期間の民主化が進むものの、1976年のタマサート大学虐殺事件で再び軍事政権が復活したようです。

本記事のまとめ

このように、1969年のタイは、軍政下の緊張と都市文化の多様化が交錯する、きわめてダイナミックな時代だったようです。ドラマ「Shine」の背景として、この時代の空気感を知ることは、登場人物たちの置かれた立場や、セリフ、苦悩や葛藤をより深く理解するうえで役に立つのではないかと思います。

少しでも理解してからまた、このTrailerを見ると、ますますドラマが楽しみになりますね。

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